原価と費用とコストの違い
原価と費用、そしてコストは似ていますが、使われる場面が異なります。それぞれの定義は以下です。
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原価:製品やサービスを作るために直接使ったお金
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費用:一定期間の経営活動で発生した支出全般
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コスト:原価や費用を含めた経営上の広い支出
例えば、飲食店で食材を仕入れる費用は原価になりますが、宣伝広告にかかった費用は販売費に分類されます。経営を効率化するには、どの支出が原価なのかを明確に区別することが大切です。
2026.01.20
企業の経営において、原価は利益を左右する重要な指標です。原価と費用とコストという言葉は似ていて、業種によって考え方や構成は異なります。本記事では、原価の基本的な定義をはじめ、売上単価や原価計算の方法、さらには原価率の考え方まで解説します。
目次
ここでは、原価とコストの違いについて解説します。
原価と費用、そしてコストは似ていますが、使われる場面が異なります。それぞれの定義は以下です。
原価:製品やサービスを作るために直接使ったお金
費用:一定期間の経営活動で発生した支出全般
コスト:原価や費用を含めた経営上の広い支出
例えば、飲食店で食材を仕入れる費用は原価になりますが、宣伝広告にかかった費用は販売費に分類されます。経営を効率化するには、どの支出が原価なのかを明確に区別することが大切です。
商品やサービスを作るときの原価は、材料費・労務費・経費の3つに分類されます。それぞれの定義は以下です。
材料費:製品を作るために必要な原料や資材の費用。飲食店であれば食材費、製造業であれば部品費など。
労務費:製造スタッフの給与や社会保険料など、人の労働に関わる費用
経費:経常費用のことで、事業に関してかかるコスト。電気代・水道代・設備の修繕費など。
3つをバランスよく把握することで、無駄を減らして経営を効率化できます。なお、製品に直接使われるコストを直接材料費、補助を目的に使用されるコストを間接材料費と言います。例えば、直接材料費は木材や金属など、間接材料費は使用される工具や機械の油などです。
売上原価とは販売した商品の仕入れや製造にかかった費用で、業種によって構成要素が異なります。ここでは、各業種による違いを見ていきましょう。
製造業では材料費・労務費・経費を合算し、期首や期末の在庫を調整して売上単価を算出します。どの工程でコストがかかっているのかを把握しやすいので、改善にも役立ちます。
小売業や卸売業は仕入れた商品の原価が中心で、販売価格と仕入価格の差が利益を生み出すことから仕入コストの管理が重要です。円安や仕入価格の変動が利益率に大きく影響する点も特徴に挙げられます。
サービス業は材料費よりも人件費や外注費が中心です。人が提供する価値が大きいので、時間の使い方や生産性の向上が原価管理において重要になります。
原価計算というとコストを出す計算と認識している人は少なくないかもしれませんが、実はそれだけでなく、企業が原価を算出する目的には「外部向けの財務会計」と「社内向けの管理会計」があります。ここでは、それぞれの役割を解説します。
原価計算は財務会計と管理会計の2つがあり、それぞれ重要な役割を持っています。まず、財務会計の目的は企業の経営成績や財務状況を、株主・取引先・金融機関などに報告することです。財務会計は貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を正確に作成する必要があり、原価計算はその基礎となります。なお、原価計算によって製品やサービスの原価が明確になることで、企業がどれだけの利益を上げたかを外部に示すことが可能です。
そして、管理会計の目的は企業内部での経営判断に活用することで、原価計算を行うと理想の原価と実際の原価を比較し、コスト削減や生産効率の改善などを判断できます。また、経営計画を立てる時は原価計算により具体的な数値目標を設定可能です。つまり、根拠をもとに実現可能な計画を立案できます。
原価は直接費と間接費、変動費と固定費に分けられます。直接費は製品ごとに特定できる費用で、原材料費や部品代などです。一方、間接費は製品ごとで正確に分けにくく、主な例には調味料や洗剤などが挙げられます。
なお、変動費は生産量や売上に応じて増減し、固定費は売上に関係なく発生します。固定費を把握すれば損益がわかり、経営の安定に繋がるでしょう。これらの費用を見直すことで、コスト削減や利益率向上に役立ちます。
原価計算には以下2つの計算方法があります。
個別原価計算
総合原価計算
個別原価計算は商品や案件ごとにコストを算出する方法で、建築やオーダーメイド製品のように1つひとつ使用が異なる場合に適しています。製品単位で費用を管理できるので、利益率の把握や価格の見直しに役立つでしょう。
総合原価計算は大量生産を行う業種に向いていて、全体の製造工程をまとめてコストを算出します。作業効率を重視しながら全体のコストバランスを確認できる点が特徴です。
2つを組み合わせることで、製品ごとのコスト管理や企業全体の効率的な経営戦略を両立できます。原価計算は企業の現状を把握して、安定した経営を支える大切な基盤となっているのです。
原価率とは、売上に対して原価がどれだけかかっているかを示す割合のことです。原価率を分析する時は、値上げや数量変化などの影響に注意しましょう。なお、予算管理と原価管理の目的は以下の通りです。
予算管理:会社全体の目標を達成すること
原価管理:製品や案件単位のコストを最適化すること
この違いを理解して連動させることで、経営を高められます。
原価率とは売上に対して原価がどの程度を占めているかを示す指標で、「原価÷売上×100」で求められます。例えば、値上げや数量ミックス・製造歩留まりの変化によって原価率は変動し、在庫評価によっても原価率が上下するので、実際の効率を反映していない場合もあります。原価率を正しく読み解くには、数値の要因を分析して経営の判断を行うことが大切です。
予算管理と原価管理は企業経営に欠かせない要素ですが、目的と範囲が異なります。予算管理は主に全社的なPL(損益計算書)の達成度を管理する仕組みで、会社全体の収益やコストバランスをとることが目的です。そして、原価管理は製品や案件ごとのコスト構造を把握して、無駄を防ぐための管理に重点を置いています。
つまり、経営に重要なことは予算を立てるだけでなく、原価管理を日々の業務で徹底することと言えます。
ここでは、原価計算の基準を定めるうえで欠かせない四要件について解説します。
原価の要件である価値の消費と給付との関連とは、費用が製品やサービスの提供に直接結びついるかを見極める考え方です。対応していれば原価や結びつかない費用は期間費用として処理されるため、コスト削減においては価値を生む投資との見極めが重要です。
四要件のなかでも、特に経営判断に関わるのが経営目的の関連と正常性の考え方です。原価計算は数字を求めることが目的ではなく、経営の情報を提供するための手段です。経営目的に沿って原価計算を行うことで、利益率や生産性を正確に改善できます。経営者が正確な原価情報を把握することは、コスト削減だけでなく適性価格の設定や事業戦略の策定にも直結します。
ここでは、原価管理のおすすめ支援企業を3社紹介します。
ここでは、原価に関する疑問点にお答えします。
これらを理解することで、正確な原価把握と健全な経営判断が可能になります。
原価とは企業がどれだけの価値を使い利益を生み出しているかを、数値で示す大切な要素です。材料費・労務費・経費という三大要素を把握して、財務会計と管理会計の両方から原価計算を行うと経営が見えてきます。
また、固定費と変動費のバランスを見直したり、原価率を定期的に確認したりすることは、コスト削減や利益率向上に繋がります。原価管理は自社の数字を知ることから始まるため、日々の経費や人件費を正しく把握し、安定した経営を目指すことが重要です。
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